3Dキャラクターはポリゴン羊の夢を見るか(1)
魔法のランプ
3DCGの存在を知ったとき、そこには無限の世界が広がっているように感じられました。
どんなものでも自分の思いのままに作り、動かすことができる。そんな魔法のランプであると信じた僕は何も分らないまま、とにかく始めることにしました。
そして今言えることは、「世の中に魔法のランプは存在しない」ということでしょうか。
僕はその道具に過信するあまり、大切なことを忘れていました。そうです。僕自身のスキル。
結局道具は道具である以上、使う人の能力を超えることはできないのです。
それを知ったとき、つまり自分の能力が足りないことに気づいたとき、僕はこの道具を捨てるべきか悩みました。こんなに手間のかかる道具よりももっと自分に合ったものがあるかもしれない。そう思ったりもしました。でも結局使い続けています。もしかしたらまだ心のどこかで、魔法のランプで世界を創れると信じているのかもしれませんね。
絵本
そして今回、絵本という形で作品を作ることにしました。
これまでにも、作品と呼べないようなCG作品をいくつか作ってきましたが、絵本という形をとるのは初めてです。なぜ絵本なのか?それは僕にもわかりません。ただの気まぐれということにしておきます。
「星の降る場所」は制作当初、子供から大人まで楽しめるものにしようと思っていました。僕自身、絵本を見て感動したり笑ったりするのが好きだったので、その感動をみんなに提供したいと思ったのです。しかし第3話まできたところで、明らかに内容が難しくなってしまったことに気づきました。
ヒトリヨガリと分っていても。
結局、読み手の気持ちになって作っていないのがいけないのでしょう。自分の中の「星の降る場所」という世界を創ることに精一杯で、それ以上のことが考えられていないようです。
絵本って一見簡単そうなイメージがありますが、シンプルな絵で文字数を少なくし、なおかつ分りやすいものを作るとしたらそれはとても大変なことだと知りました。そういった絵本が素晴らしいというわけではありませんが、子供から大人までということを考えると、そうしなければならないと思うのです。
それでも創り続ける。
創り続けようと思うのです。だって、最後に主人公がどうなるのか気になるでしょ?
冗談はさておき、これから色々作っていきたいと思っています。それは絵本という形をとるかもしれないし、ムービーかもしれない。とにかくたくさんのキャラクターを生み出し、世界を創っていきたいのです。
今日はこのくらいにしておきます。また機会がありましたら、今度は「星の降る場所」の世界、キャラクターについて触れてみようと思います。
2000年10月29日小雨の降る静かな日曜日
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