制作秘話
星の降る場所ができるまで
まずは作品が完成するまでの流れを簡単に説明してみたいと思います。
制作の流れ
ストーリーを考える
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カット割を考える
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キャラクターのモデリング
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キャラクターの質感設定
↓
骨の組み込み
↓
カメラ・ライト・キャラクターの配置
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レンダリング
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最終調整
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完成
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〜使用ツール〜
■脳みそ・ストーリーの神様
■Metasequoia
■Lightwave3D
■Photoshop
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■ストーリー・カット割
まずはお話の内容を考えるところから始まります。そしてなんと言ってもここが一番大変なところです。作者の場合、考えようとすると何も出てこないタイプなので、他のことをしながらアイディアが沸いてくるのを虎視眈々と待ち構えます。
過去の実績としては、終電の駅のホーム、シャワー、トイレ(大)、眠りにつく寸前など、とにかくストーリーの神様はところかまわず降りて来ます。ここではすかさずメモをとることが大切です。
神様からいただいたアイディアを簡単なテキストにまとめます。以後、このテキストを元に全ての作業が行われます。こんな感じ(←クリック)のテキストです。
見ていただいてお分かりの通り、お芝居の台本のような感じですね。台詞とカット数とちょっとした説明しか書きません。本来であれば、ここから絵コンテをきって画面ごとのイメージを明確にするべきなのですが、作者はこのまま制作にとりかかります。この段階でカットごとの画面イメージを頭の中に叩き込んでしまいます。
■キャラクターモデリング
ここからはコンピュータの前に座り作業します。まずはモデリング。これは何もない状態からモデルを組み立てる作業を意味する3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)の用語です。
ここで使用するソフトはMetasequoia(メタセコイア)というソフトです。3DCGはその名の通り、コンピュータの中に3次元の空間を作り、3次元の物体を表示させることができます。つまり、作る時に3次元を意識して作らなければなりません。粘土で形を作る作業と似ているかもしれませんね。
実際にはコンピュータの中に粘土を持つことはできないので、コンピュータはポリゴンというものを用いて空間を表現します。詳しい話は難しくなってしまい、作者にも分らないことが多いので、説明は省きます。興味がある方は本屋さんを覗いてみてください。3D関連の書籍は結構たくさんでています。
とりあえず、ここでは「ポリゴン=板」という風に覚えちゃってください。板をつなぎ合わせて、形を作るイメージです。
作業画面はこのようになっていて、ここで形を組み立てます。
■質感・骨・カメラ・ライト・レンダリング
モデルが組みあがったら、ソフトを変えます。ここからはLightwave3Dというソフトを使います。
まずはモデルの質感設定。様々なパラメータを試行錯誤しながら調整し、目的の質感に仕上げます。
その後、骨の組み込み。キャラクターの間接をきれいに曲げるためには骨を組み込んでその骨にそって変形するように設定します。ちょっと想像しにくいかもしれませんが、人間や動物と同じく、3Dキャラクターにも骨があって間接があるんです。
これが主人公の骨(左)とポーズをつけた主人公(右)
骨の設定が終わるとポーズをつけることができるので、キャラクターにポーズをつけます。ポーズが決まったところで見栄えが良くなるようにライトを当ててカメラの位置を決めます。これは実際の写真撮影とほとんど同じで、プロの撮影現場ではライトがたくさんあたってたりしますよね?それと同じことをやります。ここでの努力が作品の雰囲気を大きく変えます。非常に難しいです。
最後にレンダリングという作業を行います。これはコンピュータが出来上がった3D空間を計算し、一枚の絵を作り出す作業です。このとき人間は何もしません。お茶でも飲みながらのんびり待ちます。今回は大体1枚5分前後かかっていました。
■最終調整
レンダリングした絵の色味や明るさを調節したり、細かい部分を修正して最後の仕上げをします。
完成
出来上がった絵をながめます。なかなか納得のいくものができないので、毎回落ち込んだりします。
落ち込んだときは。
アイディアが浮かばないとき、つらい出来事があったときなど、落ち込んでしまったときには、このように主人公に励ましてもらったりします。彼のおかげで僕はこれまでやってこれました。
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